「FUTUREのこと。」- 2010/12/29 (水曜日)

ここに来て、まことに急にですが・・・FREE DVD MAG.FUTURE・・・沢山の年間購読(送料のみのね)の申し込みが相次いで届き始めました。それも、北は北海道から南は沖縄まで。初めてお聞きする名前ばかり。女性のお名前も少なくありません。それに添えてある一言にも、大変な勇気を頂きます。FUTUREはボクタチがお届けしているのですが、ボクタチには皆さんからの励ましの声が届きます。それが何にも変えがたい前進する勇気となっています。つまりFUTURE、実は双方向性のメディアなのだ、ということが分かります。

「動画ネット配信の時代に、いまどきパッケージですか?」の声は、ひとまず下火になりました。しかしパッケージ化は、かなりの製作コストではあります。

だからこんな声もあります。
「無料だからどーせ、と見てみたんだけど、内容も充実しているし有料でも充分販売できるんじゃないですか?」
大変ありがたいお話です。
しかし、それではいかんのです。収支を考えて取り組んでいるわけではありません。ボクタチは、ただただ伝えたいのです。その素晴らしい世界を。だいいち販売していて1万部も届きますか?

そもそも、このFUTUREを発行する原動力のひとつは、DVDを制作して販売しても製作コストすらまかなえない!という現実でした。「じゃあ映像制作はやめよう」そんな頃も当然ありました。やめることは簡単です。

2007年の西安-パリなど、テレビ放送を実現したものもあります。しかしそれを常に目指しても、テレビ局との折衝の中で、彼らの持つ経済原理と我々のそれとは全く相容れないものでした。
こんな風です。
「吉本のタレントでも使えばね?」
彼らが大陸を渡ったり、砂丘を越えたりはできるでしょうか?よしんば出来たとしても、その映像が本物足りえるでしょうか??テレビ放送は、いまや論までもありませんが、誰も期待していないものになってしまいました。電波の公共性は、もう無いのです。

また自動車メーカーなどの、クルマに対する思いの変化もあります。これはAPIOの河野社長のブログにも詳しいのですが、クルマは製品そのものが良く売れるか否か?利益率が良いか否か?を競い合う商品にしか過ぎません。いまやクルマはコンピューターで設計されるから、最終的にエンブレム以外は同じものにしかならないのだそうです。だから脱化石燃料のボンネットフード内の技術競争に終始し、少ない資本は一極集中で投下するしかないわけです。兵の分散投入は兵法にもとる!のであります。

経営テクノロジーが進化し、結果として夢とか冒険とか、そんな甘っちょろい事など許せない企業風土の会社ばかりになっていました。良く聞くフレーズですが「本田宗一郎さんが、今いれば・・・」と。しかしその幻想の回答は、こうです。「今いれば役員会や株主総会で罷免されるだけだ。」と言うのが現実でしょう。夢を持つことは、危険だということです。コンプライアンスの遵守とは「夢を持つな」と置き換えることが出来ます・

しかしそんな時代に、まだダカールに挑み続ける人たちがいます。ワークス参戦だから、プライベートだから、なんてのも関係なく、自動車の夢をまだかろうじて持っているのだと思います。販売戦略上。と言っているのも実は言い訳です。基本的に「好きなんです。」利己を越えた好きの力、それが冒険とかクロスカントリーラリーのせかいなんでしょう。

ボクタチも、その仲間であり続けたいし、その仲間を少しずつ増やして行きたいと思っています。

一生のうちにクルマに乗って砂漠を走る経験をする人なんて、極めて僅かです。砂漠を走れ!と言っているのではなく、たとえばそんな夢を日々の生活の中に温かな炎のように灯し続けたい。それが、私たちの望みでありささやかに描くFUTUREの姿です。

きょうは2枚

この1年の地と汗の結晶・・・スイマセン大げさすぎました。5巻を無事に発行できて感無量です。新しいことにチャレンジすることには、困難が伴います。しかし困難ってのは、無きゃ無いで虚しいものです。困難なればこそ・・でごわっと。小さなストップウォッチ

ボクのちょっとクラシックなストップウオッチ・・・タグ・ホイヤーです。今では使うこともなくなったのですが・・・

(おまけ)


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「漂泊の思いやまず」- 2010/12/28 (火曜日)

大掃除なのですが、ボクは腰が悪いのをいいことにサボっています。片付け物の中からBMW R1200GS Adventureまあ2007モデルですが・・・のカタログが出て来て、しめしめと眺めていてビックリ。

1枚目の写真に添えられたキャプションには「千里の道も一歩から」なんて、しおらしく書いているのですが本文には

わたしたちは中国での最初の一歩としてパミール高原に向かいました。(中略)驚嘆しながら「氷の山の父」の意味を持つムスターグアタ山(7546m)の前に立ったのでした。それはわたしたちの誰にとっても・・・・

これは我々SSERがレイド・トレック・チョモランマ2009のスタートの前日に、高度順応のために向かったカラクリ湖の畔に聳える山です。この地を旅してきたわたしたちには、このカタログの持つ意味が比較的良く分かります。ただ文章も写真も僅かばかりですが、大げさすぎはします。ですがまあ長い道のりの冒険の旅も、第一歩を踏み出さなければならないという教えは、共通のものです。

タクラマカン横断の旅は、今日のブログにも少し書きましたが、この2007年モデルのGS-Aを年明けから整備して、サイドカーを付けて出かけようと思います。もしなんなら、もう1台同じのがありますのでご希望の方には無償でレンタル(っていうかな?)いたします。

このカタログの次のページには「足ることを知れば、心は安らかである。」と老子の言葉がヘッドコピーに使われています。「足るを知る」とは、まあ新車にはしないでも良いということでしょうね。

きょうの一枚

いま思えば、この近年の旅の憧憬はこのカタログに触発されたといっても過言ではないでしょうね。

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