■ETAP-1 12 AUG. 2018 ULAANBAATAR⇒IHTAMIR
L:295.11km S:198.80km L:8.48km TOTAL:502.39km
「幾千の夜と、昼」
かつてチンギス・ハーンらが西に向かう夢を滾らせ、サマルカンド攻略戦やはるかヨーロッパまでの道をかけぬけた道だろうか。そして再びラリーはその幾千もの夜と昼を越え、西に向かう。そう、ラリーは西に向かうのだ。台地に沈む太陽を追いかけ、ユーラシア大陸の果てまで駆け抜けたい。
ラリーのDay-1はウランバートルをあとに舗装のリエゾンで西へ、SSは大草原を越え、橋を渡り。村を駆け抜ける。やがてたおやかな山を越え並木道が現れると、そこは美しい大陸を流れる川沿いだ。町の手前にゴール、給油を済ませ美しいキャンプへリエゾンすれば、この日は美しく暮れる。
■ETAP-2 13 AUG. 2018 IHTAMIR⇒KHAR NUUR
L:437.89km S:96.71km TOTAL:534.60km
「景観を堪能する、森と湖、スウェディッシュなもうひとつのモンゴル」
まだ序盤もいいところだから、過去にないほどのツアールートが驕られる。美しい針葉樹の森が包む溪谷や、美しい湖。これを大方舗装になったルートでシベリアの真っただ中に向かう。その景観を堪能するためのリエゾンだと思っていい。そして用意されたSSもわずかばかりのものだ。やがて、美しいハルヌールに辿りつけば、満天の星空を移す湖畔のビバークは素晴らしいぞ。
■ETAP-3 14 AUG. 2018 KHAR NUUR⇒KHAR NUUR
SS-1:114.03km L:1.27km SS-2:87.07km TOTAL:202.37km
「砂丘の迷宮の、リングワンデリング」
ハルヌールをスタートゴールにする、わずかばかりの距離の砂丘越えの1日。湖畔沿いに始まる小さなデューン群を楽しみ、2つ目の小さな湖を見て山岳エリアに。そして大デューンの中に誘い込まれる。砂は柔らかくルーティングが難しい。慎重に超えて行けば、やがて砂の中から湧き出る不思議な泉に出会う。その左手を巻き、山を越えれば村が現れる。SS-1はここにゴールする。SS-2では、サンディなピストを進み、次には走りにくい岩場を根気よく進めば、再びもう懐かしいとさえ感じるハルヌール。湖畔で湖に映る星空と天空との境界もあいまいな大宇宙の中で過ごす、ささやかなパーティー。
■ETAP-4 15 AUG. 2018 KHAR NUUR⇒BAYANHONGOR
L:158.09km SS-1:247.56km L:4.59km SS-2:256.25km L:6.77km TOTAL:673.26km
「フルスケールのラリーがはじまる」
ハルヌールをあとにリエゾンで、20世紀初頭まで交易の中心地として栄え、清朝の総督府も置かれたオリアスタイの町に行く。青龍橋と名付けられた清の時代の木橋を真横に見て、あの時代を想像してみたい。
さてラリーはフルスケールになる。2本で500kmを超えるSS、700kmに近い走行距離。気合と慎重さを両立させるラリーの中盤。ここを超えなければならない。
■ETAP-5 16 AUG. 2018 BAYANHONGOR⇒BAYANHONGOR
L:18.03km SS-1:245.25km L:2.22km SS-2:270.07km L:6.80km TOTAL:542.37km
「ゴビの北縁、大平原に遊ぶ」
この日はループだ。ナビゲーションを慎重に、東へ、そして南へ。草原はやがてゴビに変わり陽炎が経つだろう。ゴビに浮かぶ不思議な湖、その近くにSS-1はゴールする。次は西に向かうのだ。村の近くの川を渡り、谷を進み、そこを抜ければ高速ピスト。どんどんと大平原を北上し、FINISHを目指す。マシンが絶好調ならば、最高の1日。
■ETAP-6 17 AUG. 2018 BAYANHONGOR⇒BAYANGOBI
L:11.00km SS-1:230.00km L:8.61km SS-2:273.98km L:24.42km TOTAL:548.01km
「天空のスガワラ峠を越えろ」
スガワラ峠とは、名前の無かったそこにSSERが命名したものだが、初めてこの大会に来た菅原義正が「すごいところだ」と言ったのがこの峠。標高は3000m程度なのだが、なにしろこの高緯度なものだから、群青の空はまるで5000mを超えた時に現れるような姿で身震いさえ覚えるほどだ。この日はスガワラ峠に加えSS-2では美しい川と、緑の中を砂丘に向かう。ロングディスタンスでアベレージもやや低い。慎重さが試される1日だ。
■ETAP-7 18 AUG. 2018 BAYANGOBI⇒SAYHAN OVOO
SS-1:246.00km L:3.36km SS-2:249.30km L:18.28km TOTAL:516.94km
「チベット仏教の都市遺跡へ」
ビバークからSSスタートしデューンへ向かう。この日のゴールは、かつては聖地とされていたチベット仏教の都市だった。この数年は、ラリーはこの地に向かうのだが、その遺跡には歩いてもすぐなのだが、なかなか見に行く時間がないのも事実だろう。ロシア革命以降の宗教弾圧の色濃い痕跡に立ちすくむ。この日は、変化に富んだゴビのルートと闘う。ラリー、最終版。
■ETAP-8 19 AUG. 2018 SAYHAN OVOO⇒ULAANBAATAR
L:24.38km S:210.00km L:309.43km P:17.88km TOTAL:561.69km
「凱旋の日は、心に深く残る」
この日は一斉スタートだ。大平原に立つ陽炎の向こうに歓喜のゴールが待っている。ここまでの人生、ここまでの道程、さまざまなコトやモノが昇華していくのを感じるだろうか。草原の中で、砂漠の中で満天の星空の下で、おそらく人生を感じただろうから。