TBIの初期、まだそのシステムも模索中だった時代。参加者こそよき相談相手で、僕はそんな彼らに導かれるまま、峠道を登ってきたように思う。そんな彼らも、気がつけば、なんやかんやで疎遠になってしまう。だけでなく13年の歳月は、誰にも等しく13歳の年を加えてる。しかしそんな仲間たちが「でもあの TBIが最後と聞いて」と、またやって来る。今日はそんなひとり、松井勉氏からのメールのやりとりを、もちろんご本人のOK!を頂いて転載した。
On Mon, 05 Mar 2001 12:43:33 +0900
taroki1 <******@******.***> wrote:
前略 sser御中 こんにちは。昨日、愛媛も雪だったらしいですね。東京は風、雨でけっこう荒れていました。さて、レギュレーションについて質問したくメールしました。以下ご回答いただければ幸いです。
その1 2)-2改造可能箇所について。 保安部品につてですが、補助灯火類とはどのように解釈すればよいのでしょうか。たとえばいわゆる前照灯のアシストランプ的な物ですか?それともウインカーなどヘッドライト以外の灯火類なども含まれるのでしょうか?(要するにウインカーの変更が可能かどうか、という点です。たとえばノーマルのウインカーからXR-BAJAのoeウインカーに変更をしてありますが、それを戻す必要が有りますか?)ちなみに、アシストランプに限られる、という場合、ポジションランプ付きのウインカーは補助灯火類という範疇になりますか?
その2 4) 服装および装備品の規定 について。 4)-3にある脊椎と胸部を保護するプロテクターの解釈について教えてください。 これはナニをもってして十分と解釈されていますか?たとえばジャケットの下に脊椎パッドを装着し、胸部はジャケットの衝撃吸収力に期待する、という解釈は成り立ちますか?また、チェストプロテクター装着の場合、ジャケットなどの中とし、露出しない、という点についてですが、この理由を教えてください。とうのも、基本的にチェストプロテクターを使用したいのですが、ウエアの下に着ると体格の問題でライディングの妨げになる可能性があり、安全性にちょっと難があるのです。また、かつてジャケットの下にダブルのチェストプロテクターを装着していた頃、転倒時にガードが体に密着しすぎて逆にガードのエッジで頸部を押され危ない思いをしたことが有ります。率直に言ってジャケットの中にプロテクターをするのが怖いんですが、例外無くジャケットの下に着ないといけないのでしょうか?これは個人的な意見ですが、雨の日など、汚れたジャケットを脱ぎ、バイクに掛け、店などに入る場合、ぬらしたくないブレストガードをもったまま店に入るのはちょっと気が引けるように思います・・。でも、濡れるからバイクにも掛けておきたいないし、と昔むかし、雨続きのTBIでの思い出がよぎります・・。
その3 4)-5、ミラーレンズについて。 レギュレーションを見て早速ミラー意外のもので適度な暗度をもったレンズを探しましたが、私の使用するブランドには目茶濃いかクリアしか存在しませんでした。これまでの経験上、ミラーレンズが視界や表面コートのキズなどに起因する乱反射などでネガな要素を感じた事がここ10年ほど有りません。市場のラインナップもミラー中心であり、過度に透過率の低い物は危険としてもミラーレンズへの規制緩和の可能性は有りませんか?最近、年齢のせい(笑)でしょか、ある程度光線をコントロールしたほうが格段に走りやすく、車検とイベント対応でクリアレンズにサングラスの組み合わせ、ではおそらくレギュレーションの初志に反するように思うので、ご検討いただければ幸いです。 これは個人的な質問です。 サイレンサーの公認申請とは誰がsserに申請すればよいのでしょうか?製造者ですか、販売者ですか、ユーザーですか?また、いわゆる保安基準に適合しているリプレースマフラーとリストにある公認マフラーの違いはどんな点に有るのでしょうか?独自な部分が有れば教えてください。 以上です。 お時間のある時に返信をいただければ幸いです。 では
松井 勉
On Tue, 06 Mar 2001 15:41:08 +0900
“SSER ORGANISATION (support)” <support@sser.org> wrote:
お変わりありませんか。ラストTBIには勉チャンにも参加とのこと、大変嬉しく思 います。 ( 中略 ) さて、お問い合わせの件については以下の通り回答いたします。
その1) ウインカーの変更は全く問題ありません。ついでに言うと、補助灯火類とはここでは、前照灯の補助を果たすものです。ポジションランプはそれが、ウイ ンカーと兼用になっているものであれば、補助灯火類とはみなしません。また補助灯火類とは灯体が主灯と別体になっているものを指します。
その2) 最近のSSER関連イベントのインジュアリーレポートでは、(と言うほど大袈裟なものではありませんが)ナビゲーション機器類による胸部および腹部へのダメージが報告されています。したがって一般的なライダーまでを広くカバーせざるを得ないこちらのレギュレーションでは、胸部そして鎖骨前部の充分なプロテクションを求めております。つまり脊椎パッドは有効です、が胸部をジャッケットの衝撃吸収力に期待するのでは、充分とはみなされないと思います。私見のみで言えば、あなたには、それで充分であると断言できますが、こういう曖昧なものを明文化つまり、レギュレーション化すると、最小公約数的になり迷惑な話でもあります。ただただご賢察頂きたいのは、こういう風にしないと、そしてスタート時にチェックしないとニーパッドすらしないライダーが居るのですよ。それは参加者の自己責任において為されるべきだ、という僕たちの時代は微妙に変わってしまったんです。またジャケットの下、若しくはジャケットを脱ぐときはさらにジャージの下に装着を求める理由は、ただひとつ。タダでもいかめしいプロテクターを、隠して欲しいという、もう10年にもなるSSERのキャンペーンのひとつです。これによる負傷の報告はあがっていませんが、却って危険が考慮さ> れるのであれば、早急に対応策を考えます。検討結果は公式通知にて全参加者に伝えますが、その時点まではこちらのレギュレーションが優先されます。
その3) これも前段の回答にリンクする部分がありますが、実はもうひとつ理由があります。それはデイライトのSSのなかにもトンネルがあると言うことです。もちろん今回230名の参加者が、ミラーレンズを着けプロテクターを着けて行進するのは、社会性に於いていかがなものか。という判断が第一なのは言うまでもありません。それにしても、「せめてもの」と言う感は免れませんが。 サイレンサーのSSERの公認申請の手続きは、FIAもかくや、というほどに(というほどではありませんが)製造者の責任で製造者によって申請していただきます。公道を、また夜間走行をするわれわれのイベントでは、メ-カーの純正であっても騒音が大きいと感じることは少なくありません。日本のこの部分に関する規制は甘すぎると言わざるを得ません。モーターサイクルが社会性を失なった部分です。しかし規制緩和の流れもあり、また幾つかの製造者から「何とかならないか」という申し入れも度重なり、この制度を始めたものです。もちろん我々のイベントが特殊であるというのは、いくらマフラー製造者に言っても理解してもらえるモノではありませんが、合法ならそれで良いのか、という疑問にも触れて欲しいと思います。そして公認申請時に実寸図と騒音測定データと写真を、製造者の署名入りで提出して頂いており。車検時に、その同一性を確認することが出来ると言うことです。もちろん申請料は要りませんので、その製造者の責任と意識に頼り、我々が最も恐れた部分の扉を開きました。結果はここだけの話し微妙です。製造者のモラルもそうですが、深夜の民家の前の上り坂、深夜のSSから聞こえてくる騒音、大きな問題となってきてます。(これは夏のSSER2DAYSなどのお話。) 結果どの回答も、いささか官僚的に過ぎるとお感じになったのではと、思います。最後のTBIだから、とは思っていません。改善できる点はどのようにも改善していきますのでどんどんメールをください。そしてこのGWがとびっきりの、そしてすこしばかりタイムスリップしたものになれば楽しいですね。 Tetsu Yamada
On Tue, 06 Mar 2001 12:47:21 +0900
taroki1 <******@********.***> wrote:
( 前略 ) こんにちは。早速の返信ありがとうございます。
お変わりありませんか。
おかげ様で歳をとった程度で大過なく過ごしています。ウワサだけはBMWの大隅さんなどから以前聞いたりしていました。ご活躍の程お慶び申し上げます。 さて、レギュレーションの件、再度ありがとうございます。では、勝手な感想を述べさせてもらいます。 ハンドルバーブレースにマップホルダーという鋭利なものを取り付けている、というライダーが多いTBIや国内マップラリーでは転倒時の状態によっては重傷を負う可能性は有りますよね。もちろん、ハンドルバーに無くても同じような状況になる可能性は高いと思います。 僕自身、ガード類にはひとかたならぬ援助を数限りなく受けており、するな、といわれても絶対すると思います。おそらく、レギュレーションでブレストガードが禁止されたら、シャツの下に隠してでも付けるでしょうね(笑)。 それはともかく、多くのエントラントに公平性をきするためのレギュレーション。それだけに僕も尊重すべき項目だと思ってます。でも、ニーパッドもしないで平気なライダーは本当に痛い思いをしたことが無いのでしょうね。もちろん、痛い思いなんかしないに越したこと無いですけど。 これは余談ですけど、プロテクションって難しいですよね。最近、プロテクターを仕込んだジャケットが多いじゃないですか。肘、肩、脊髄、前身に圧縮パッドやプラスティックカップを仕込んである。事実、無いよりは格段に高まるかもしれませんが、転倒の衝撃は複雑ですし、ガード類のフィット感を高めると、体を動かすたびにジャケットにもうけられたポケットの中でガードが体を拘束しようと動いてしまい、動きを優先すると机に肘をついただけでカップがずれたり、とこれまた一筋縄ではいきません。たとえばサイズがS,M,Lだとするとジャケットの下に着ているものによってもそのフィット感が全く換わってしまう、という点も気になりますよね。確かに商品性としては感度が高いいんですけえど。結局手を出さず、コンベンショナルにブレストガードへ、となってしまうんです。 いかに守るかは本当に複雑ですよね。
> その3)これも前段の回答にリンクする部分がありますが、実はもうひとつ理由が > あります。それはデイライトのSSのなかにもトンネルがあると言うことです。も > ちろん今回230名の参加者が、ミラーレンズを着けプロテクターを着けて行進する > のは、社会性に於いていかがなものか。という判断が第一なのは言うまでもあり > ません。それにしても、「せめてもの」と言う感は免れませんが。 これは山田さんの主観ですよね。でも、これは山田さんのイベントだし、これまでの長い経験の結果そういう結論にたっしているならばそれはそれだと思います。 これはサイレンサーの問題などにも関わる点だと思いますけど、TBIやSSERがナイトランを多くの参加者(この際、顧客としましょう)が高い商品性として認識している点がきっと矛盾の発端なんでしょうね。 僕個人といしてはミラーレンズとプロテクターの露出がそのまま社会に違和感を与える、とは思いませんが、あくまでも乗り手の意識は重要です。 人に道を聞くのにヘルメットをかぶったままとか、汚れたブーツのままどやどやと店に入ったり、止まっている時に悪印象を与える方が圧倒的では無いかと考えています。走っている時は運転態度みたいな部分が人の判断基準になりますし、その点においては乱暴なGパン男もオフローダーに勝るとも劣らない社会への凶器性をもっています。
だだし、音問題が微妙な問題に、というのは関心が有りますね。 これは現状を度外視した意見ですが、その昔、エコロジーなんて言葉が一般的になる前からISDEなどで使用が義務づけられた「エコロジータイヤ」の例をそのまま当てはめる、というのはエキセントリックかもしれませんが、思い切ってノーマルより静かになるマフラーへの交換を認める、というレギュレーションでも作ってみてはどうでしょう?また、ナイトランのあるイベントは4サイクルオンリーとするとか、逆車、輸入車も99dbとかの保安基準は当たり前として、国内販売仕様(特に近年の軽二輪は通過騒音の基準が厳しいために、メーカーの人も相当に大変そうです。)としたら、相当静かになると思いますね。現状の騒音測定方法とバイクが負荷がかかった状態での全開時の騒音特性では人が感じるうるささの度合いが違い過ぎるような気がします。 おそらくメーカー純正のサイレンサーより静かであるアフターマーケット物は存在しないと思います。静かでは商品になりませんからね。でも、これは新たな方向性を提示出来るかもしれません。 もしくはパリダカのように早いライダーは昼過ぎに、遅いライダーやトラぶったライダーが日暮れに掛かる頃ゴール、という設定にするか、という究極の選択となるでしょうけれど。
でも、バイク乗りの民度を図る上では「ナイトランイベントに付き、うるさいバイク、マフラーお断り。基準は○○型のホンダ○×250の標準サイレンサー。接近計測で○○db。これ以下の騒音であればマフラー交換は自由。これ以上の騒音のバイクで参加の場合、デイステージクラスに限られる」なんてレギュレーションが出来たらこれはこれで面白いと思いますね。それこそ、SSERへの愛の踏み絵になりますけど、それでも出たいか、それとも夜の林道や獣道で爆走したいだけだったか、ハッキリする部分もあるでしょうね。最近、あちこりのwebをみていて思うんですけど、オフ会と称してほとんど自主イベントでみんなかなり血道を上げている様子。もしくは全くのミーティングに終始する、という二局化しているようですし、新たなイベントの提言として面白いかなと。かってな意見ですが。
だれかいないですかね、静かになっても性能の落ちないマフラーをつっくれる人。それで軽量化が出来れば運動性も上がり、燃費も上がる計算になりますよね。燃費が良いのはバイクの十八番。車に3リッターカーとか言われている場合じゃないような気がしますね。だから、低燃費のためのエンジンモディファイと車両の軽量化を認可して静かなバイクで四国の林道でナイトラン、という新たな競技色。早いのはもう当たり前で、その他の複合的な要素をクリアできないとトップをとれない。こんなゲームだとみんな素直に4ストに移行できないですかね。 そうするとコンストラクターがSSERでの勝利で名をあげ、そのベースとなるバイクを作るメーカーも意識し始め、ライトウエイトのモデルが出始めたり、FCRキャブなんかも燃費仕様にすると相当いけるらしいですからね。
きっと、走行抵抗の低減も必須ですからベアリング、チェーンも低フリクション化が求められ、単なるパワーアップにしか関心の無かったライダー達が深い意味でドライバビリティーとかライテクとか、自然とかにアクセスし始めるかもしれませんね。で、チェックポイントでは給油です。チームエントリーもありでそうするとエースライダーが軽量な女の子だったりして全く別のヒエラルキーが出来るかもしれませんね。
しかし、民主主義の論理としてデイクラスはうるさいのも容認しないといけない事態でバランス取りをしないといけないかもしれませんが。ゼッケン付けて走る以上、静かに走れ、というのはどだい難しいですし(僕なんか、モロその口ですが)。でも、あったら相当気になりますし、オフロードメディアだけに限られない広い媒体効果が得られる可能性が有りますね。 そうすれば社会性とオフロードライダーの厳つさが逆転するかもしれませんよ、あっさりと。
余談が過ぎましたが、レギュレーションが今後、どんなライダーにおいても他のライダーの不利にならないために存在し、本人が不利となる部分に関してはライダーの選択肢であり、参加者の自由な権利とそれに伴う義務が当たり前のように機能する事を望みます。もちろん、明文化されない部分に高い常識が存在し、tbiはじめ公道を使ったイベントでも高いスポーツ性をみんなの努力で認知してもらえるようにがんばりたいですね。やっぱりラリーは楽しいですからね。 では マツイ
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