ボクはつねづね、ラリーをラリーとしてだけ見ればそれは競技としての面白さはあるけど、素敵な時間旅行だと思うようにしてきた。
それはスタートしてからゴールするだけの時間ではなくて、さあ参加しようと思った時からはじまっている。いや、そう決めた時から自分の時間を巻き戻して「去年のこと」や「ずっと前のこと」「バイクを乗り始めたころのこと」などなどさまざまな記憶の糸を辿って行く。すると、そこにはもちろん経験としての知見や、憧れていたのに忘れていた幾つかのことが、モザイクのように宝物のように埋め込まれていることに気が付く。
ラリーに参加しているときには、不思議な感覚になる。たとえば普段見るものが、生き生きと色づいて見えたり、なんでもないことが増幅して感じられる。
つまり、参加した者の感受性を引き上げている。
なぜならそれはマシンのこと、ルートのこと、この先に待ち構えているだろうさまざまな罠や、見落としたら失敗するであろうファクターを全身で感じ取ろうとする機能が高められているからにほかならない。
この身体の機能を知ることはとても大切だ。このラリーを機会にこの1年間の、こうした危機管理や、風景を増幅して感じる能力を高めに維持していくことが出来る。
目に入るものは、相当なボリウムの情報だ。それを整理しながら進む行為は、実はかなり高度であり、尊いと思う。
湯布院。単に湯煙舞う温泉地、美しい草原や美しい山々。それだけを堪能するのも良いかもしれないが、もっと違う、今までに感じたことのない自分に出会って見れるかもしれない。
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