ラリーが始まる前に山田さんから「篠塚さんにカミオンバレーのドライバーとしてお願い出来ませんか? 」とのお話があり、実現したら素晴らしい事で、私にはそんなアイデアも浮かびませんでした。すっかりご無沙汰しているので携帯の番号すら分からずに友人に聞き、電話するのですが、何度かけても繋がりません。
結構ラリー開催が近づいた頃にやっと繋がりました。彼はフランスに行っていたようです。パリダカの日本人初の総合優勝者にカミオンバレーの運転をお願いするのは勇気のいる事でしたが篠塚さんは考えてみたいとのご返事でした。その旨を元報知新聞の中島さんにお話して、中島さんからもお願いをして頂き、今回の事が実現したのです。
他のラリーレイドを色々と知ってますが、優勝者が最後尾を走るのは聞いたことがありません。最後の決め手は山田さんからのお願いでした。
ラリーを知り尽くしている篠塚さんの活躍には参加者の皆さんも、驚かれたり、安心したりで動揺されたと思います。
最後の表彰式にプレゼンテーターとして、おひとりおひとりに丁寧に声をかけられて賞品をお渡ししている姿に感銘を受けました。お人柄を感じた一瞬です。
若い参加者は感動してました。モンゴルの選手もそうでした。ご苦労様でした。そしてありがとうございました。
「衝撃を吸収してくれたホィール」
2006年のラリーレイドモンゴルでの写真です。車両はヤマハライノ。私の不注意で岩に前輪をヒットさせました。この種のタイヤの空気圧は決められており増減出来ません。それにしても結構派手な壊れ方ですね。
スペアータイヤに交換して走り出し、キャンプ地で写した写真です。
ライノの車輪ですが、前輪と後輪のタイヤのサイズ(幅)が違い、後輪が太くなっております。
スペアーを持つと2種類のタイヤが必要です。後軸に掛かる重量を計算して、後ろ側を徹底的に軽量化して前軸と高軸の重量バランスを同じにしましたが、まだ問題がありました。
前輪用のホイールを後輪に付けるとトレッドが狭くなります。スペーサーを製作して前と同じトレッドにするのです。こうすると走行抵抗が少なくなり、スピードが出ますし、スペアータイヤは一種類で済みます。
これだけ壊れたホイールですが、タイヤの空気を抜き、ハンマーで叩いて修理完了。心配なのでフロントの足回りを点検したのですが、衝撃のエネルギーをホイールだけで吸収してくれたので、問題ありませんでした。
2枚目の写真は山田さんが名前を付けてくれた「スガワラ峠」で写しました。まだ生きているのに私の名前を付けてくれた山田さんに感謝、感謝です。
話は違いますが、今回の「北海道4デイズ」で感じたのですが、パンク道具を持っていても虫回しを持ってない人が多く居ました。虫にも凄いメカニズムを感じますよ。
あの場所を回すのには、専用の虫回ししか出来ません。私のバイク、四輪、トラックには全部の車輪に虫回しを付けてます。専用工具も売ってますが、タイヤに直接付けるタイプをお勧めします。
著者紹介 菅原義正氏
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