2005/01/06 (木曜日)
5日夕方、パリ・ダカの現場にいるバイラーから電話がかかった。衛星を介してのそれは、多少不明瞭だった。パリ・ダカは1月5日の朝のステージをむかえていた。電話のむこうは「砂嵐がすごい」と波乱のステージ予兆。いつもの年ならモーリタニアは1月中旬より強烈な砂嵐のシーズンになる。そのため、かつてのパリ・ダカールは、モーリタニアを抜けるのが困難だった。モンテカルロラリーがスケジュールに重なる、という理由でスタートを5日くらい繰り上げてクリスマスにした頃から、なんとか砂嵐のはじまる前のモーリタニアへ進むことができるようになったのである。そして、そこはやはり困難だった。
そのモーリタニアの風景はスゴイ。そんなモーリタニアに入る日の朝、バイラーの電話はパリ・ダカールが、やはりパリ・ダカールであることを告げていた。そして「寒い」と云う。モーリタニアには昨年は何十年ぶりという雨が降った。そして今年は寒波、それに半月早い砂嵐のシーズンの到来。やはり、どうも異常気象ぶりは、どこも変わらない。
この日、僕の推すC・マクレーもジャンプに失敗しクラッシュリタイア。そしてA・バタネンも後退、池町もエンジントラブルで後退と、NISSAN勢は昨日のパーフェクトウィンのあとの悲劇的な1日となった。R・ゴー ドン(VW)も後退してしまった。三橋は快走、この時点で総合20位はマシンのポテンシャルなどから見るとスゴイ。6日7日と2日間続く1000kmを超えるマラソンエタップのことを考えると少し不安だが!!そしてチームスガワラは、本領を発揮、これからグングン伸ばしてくるという知り尽くした展開、これだけは誰も見習えない程の達人の闘いぶり、しかも一子相伝の趣きすら漂う。さてMOTOも心配だが、マラソンエタップの2日間を、どうのり切ったかを見てみたいと思う。
パリ・ダカをやってるころ、いつも頭の中にあって離れない言葉があった。それは「サドンデス」突然の死のことである。快調な時にそれはやってくる、パーフェクトを積み重ね続けてなおやってくるサドンデス、だからパリ・ダカに惹かれたのかもしれない、ラリーレイド、全ての競技者に等しい困難と苦悩が与えられる。トップを競う者にしても、なんとか完走を願う者にも過酷であることは変わりがない。
きょうの一枚
砂漠に残された数筋かの轍。なぜにこうした風景がそそるのだろう? モンゴルにて
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