「ラリーモンゴリアから、雑感」

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2011/08/17
「ラリーモンゴリアから、雑感」
ラリーが終わり、いつもより疲れた体で日本に帰った。てか行く前から酷い過労感。とにかくここ数年というもの、試走から本番までが過酷過ぎて・・・本番時に完璧な体調だったためしがない。どうも年をとる、ということは体調の管理が難しくなるということかもしれない。
ということでラリー雑感その1、は「モンゴル人ドライバーたちの台頭」について。
彼らがこんなに早くクロスカントリーラリーの世界で頭角を現すとは正直なところ意外だった。特にMOTO部門では民族的本能?も手伝って早くから驚異的なパフォーマンスを見せていた。実際に昨年のジョナ・ストリートの優勝までは長くモンゴル人ライダーが総合優勝を手にしていたのだ。
ところがAUTO部門となるとなかなかそうは行かない。マシンのポテンシャルが必要だから。そして一気にそれを進化させる出来事は2008年の塙選手の総合優勝と、そのマシンをモンゴル人ドライバーたちが手にしたことにある。彼らはそのマシンを徹底的に研究した。
今年、逃げ切るように優勝した塙選手も
「正直言って驚きました。ボクが30年かけて手に入れたマシンの技術的なところも、あっと言う間に取り入れられて、こんなに早く進化するとは考えられないですね。」と驚きを隠さない。
ところがラリー後半のエタップ7に困難なデューンがあって、それまで総合で2位争いをしていたモンゴル人のAUTO部門の選手たちはこぞって1時間近いロスをしてしまった。
不思議なことに彼らはタイヤのエアを抜かない。抜けば難なく超えられることを知っているのに誰もなかなか抜こうとしない。誠に不思議な光景を演じる。このエタップのデューンは、手ごわかったろうと思う。エアを抜いて15分で超えるか、抜かずに1時間以上かけるか?そんな闘いの機微などどちらでも良いかのような姿だ。古いパリダカファンならご存知かもしれないが、ボクはそこをひそかに「ネガの谷だ」と考えていた。ボクも何度かモーリタニアのネガの谷を越えたことはあるのだが、なんとなくイメージもそれを一回り小さくしたような感じだ。
ネガの谷、というのは地名なのかどうかは知らない。でもなんとなく「ネガ」と聞くとネガティヴな気持ちでは超えられないぞという意味のように感じた。「何とかする、何とかなる。何とかなら無くても、何とかしてみせる。」そんな気分でネガの谷へ向かうと下(裾野)から上まで大スタックのクルマがもがいている。そんな古い記憶を辿って、ゲルの中でボルドバートルの違反行為の裁定だとか、失格者やリタイア者の最終的な裁定の問題などを、篠塚さんと話し合った。
ボク一人不思議な気分というか邂逅というか、時の移り変わりを楽しんだ。そしてそのデューンを真っ先に超えてきたのは先述の塙選手だった。
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