「男と女」

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2011/05/18
「男と女」
TBIの閉会式のあと、自分は「あのジャン・ルイだ。」というある大学教授と酒を飲んだ。モンテカルロラリーから雨の中をシェルブールに向かって走るフォードの姿が思い出されて「???」な感じになって少しボクは口をとんがらせた。映画「男と女」の話だ。その主人公のジャンルイ・トランティニヤンと自分を重ね合わせている男が目の前にいて「まさにこれはロマンチストだわい。」とひとり納得した。まあそれもラリーの魅力なのかもしれない。ニーチェじゃないけど男は危険なものが好きなのだ。
さらに彼はフランス語のせりふを大きな声で言うものだから「待っているのはどんな女の人か興味がわいてくる。」のである。ともかく、この映画はボクも子供心に少なくないインパクトを受けた。ジャン・ルイはル・マンでフォードF40をテストするものだから、ボクは「栄光のルマン」とこんがらがってしまって、いずれにしてもこの時代のフランス映画には、数知れずインスパイアされっぱなしだ。
きっとパリダカへの情景も、このフランスの甘美な切なさのようなものの延長線上に感じたのかもしれない。そういえばその席で「海へ」の話になった。88年のパリダカが舞台だ。ジョゼ・ジョバンニの「砂の冒険者」が原作で倉本聡の脚本。88年に製作されて高倉健やらいしだあゆみやら桜田淳子も出ている!ついでに言えばラリーの監修は菅原さんだ。ボクも走りながら眺めていた。なぜだかラックロゼのスタートに向かう細い道で、宇崎竜童ともうひとり名前は忘れたが、激しいスタックをしていた。撮影クルーはいなくて、彼らは後ろからラリーカーがやってくるので焦っていたのが思い出される。
確かにこの映画もそのフランス映画の妖しさがあった。パリダカの映画だから!と観た向きには意味不明だったかもしれないが、まさにフランス映画のようだった。

きょうの一枚
今年カンヌ映画祭。昨日の「今日の一枚」“パリの真夜中”がオープニング上映作品。この映画祭の公式ポスターはいつもチェック!!今年のモデルはフェイ・ダナウェイ。1970年撮影、カメラはジェリー・シャッツバーグ監督。「ボニー&クライド」にボクたちはしびれたっけ。

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