2011/04/14
「さあ、TBIだ。」
ボクたちの原風景である四国のTBI、つまりラリーの現場がボクタチの棲家である。例年より大きく遅れた試走が佳境に入っている。山々は美しい季節を迎えた。
山桜のその存在の美しさは誠に見事だ。毎年書いているような気がするのだが
もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
ボクの解釈は、普通の現代語訳とは違うかもしれないが、互いに「あはれ」と思うこの感情は、なんとも訳しがたいものだが山桜は花をつけたときにのみその存在が分かる。このことを「あはれ」と感じ、もろともに、つまり互いにその存在の不遇さを囲っているのではあるまいかと感じる。つまり「世が世なら・・・」みたいな気分があるのかもしれないと思う。世の中にこういう気分の人も少なくないだろうと思う。批判的な物言いをする人はどちらかというとそうだ。だから最初にこの歌を読んだときは、とっさにそう思ったが、いやいやもっと深い。
山々の桜が終わり、ヤマツツジが咲き始めるころにTBIははじまる。高知の川は全て太平洋に注ぐがその渓谷筋に咲く藤の花の色も見事だ。必ず人の手の届かないところに咲いているのもあはれであると思う。その沢筋を時折やってくる参加者の乗るオフロードバイクを眺めているのが好きだ。ラリーが素晴らしいと思えるもの。
そんなこの季節の色の変化ほど美しいものもまたあるまいと思う。川の淵のみどり、海の蒼、山の若いみどり、栗の花の淡雪色。そう昨日良く肥えて可愛いニホンカモシカの幼獣がボクタチの目の前にゆっくりと現れた。まるでなにかの使いのように。
その毛色の美しさ。
思わずカオルサンと目を見合わせた。
茶色でもなくベージュというのでもなく。
モンゴルではこういった色をホンゴル色といい、もっとも高貴な色だと言う。ホンゴル砂丘もその色に近いのでそう呼ばれる。馬もホンゴル色が上等とされる。振舞われる馬乳酒もどこかホンゴル色をしている。少し話が変わってしまったが、つまるところ花よりほかにも知るものも居て(カモシカとかね)案外と神様は見ていた「かも」ですね。
きょうの一枚
ボクは写真が撮れなかったのでネット上で拝借。
学名はJapanese serow 90度の崖をゆっくりと降りて対岸からこちらをじっと見つめていた。今度は熊と遭おうとカオルサンと約束した。
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