今日は、なんと若山牧水の詩から始まろうと思う。たまたま書棚に瀬島龍三回想録「幾山川」というのが截っていて、思い出した。でもこんなの書くと、また間違ってるなんて指摘をうけちゃうんであるが。白鳥は悲しからずや 空の青海の青に染まず漂う幾山川越え去りゆかばさびしさの 果てなん国ぞ今日も旅行くいざゆかむ行きてまだ見む山を見む このさびしさに君は耐うるやなんか、まるで僕見たいでしょ。
ところで、昨今のバイク事情。ある人からのメールにはバイクブームの到来を感じます。とありましたが、しかり。このバイクブーム(があるとしたら)それはつぎの2つの点があげられると思う。まずは次世代の、シティ・コミューターとしての地位。昨今の地方都市の交通渋滞の激しさは、目を覆うばかり。経済的な損失もいかばかりか、それにこの渋滞の中に居る精神状態は、交通事故の引き金にもなってるだろうことは、言わずもがな。そのほとんどが1人乗りのクルマ、道路占有面積は、車両占有分と前後1mとしても約12m2、バイクだと3m2がいいところ、ナント4分の1。燃費、排出ガス量などに至ってはどうなんだろうねえ。それでも日本人はまだ4000ccのセダンに一人乗りで通勤しますか?ドキッ。まさかランクル一人乗り通勤なんてしてないでしょうね、あなた。ドキッ。掛け声久しいパークアンドライド構想なんてのは、ぼくはてっきりクルマをパークしてバイク(自転車も含んでね)をライドして都心にむかう、ことだと思ってた。電車に乗ることをライドっていうの?国土交通省に聞いてみようか、扇千影さんに。
でBMWはC1ってコンセプトのコミューターを既に発売してるし、ことの本質をよく分かってる。だって、「ヘルメット被んなくてもいいようにしなければ、支持されない。」つまりどんなに素晴らしい発想も、まず利用者に受け入れられやすいように、なのである。日本じゃこのバイクにノーヘルの許可を与えるかどうか、まず絶望的というのが、大方の見方。だがそこまで卑下することも無いとも思うのだが。まメルセデスはバイクとは言わないまでも、スマート(2シーターの全長2.5mソコソコのマイクロカー、スゥォッチ社と共同開発したあれ)で充分に自分たちの考える、次世代の都市交通を提案してるし、実践してる。じゃ日本のメーカーはなにやってるのかというと、まあその話はまたにしよう。したがってデザインソースも、シティ・コミューター然とした、近未来デザインに帰結しちゃう。そこでそのデザインソースを単純に表現しやすいスクーターが発達してきてるのである。行き着くところは、流星号だからね。
そしてバイクブームを築くかもしれないもうひとつの要素、それは善悪の基準値の変換。なんのこっちゃ。かつては、バイクに乗る若者はイメージ的には悪(イメージの話ですあくまでも)一方、オウチにいて机に向かってる子供は、善、だったのね。今では一日中オウチにいて、パソコンとかゲームばかりやってる子供たちがそろそろ問題児で、元気良くバイクで遊んでる子供たちが、健康つまり善、ってことになってくる。そう、僕たちが子供の頃、IVYルック(Pu!)は不良だったんだけど、今では、まじめなボクチャンの象徴のファッションになっちゃつてる。みたいなもんであるよ。てえことから考えても、バイクの復権の日は近いってのに、なにやってるだ、日本のメーカー。僕なんか、もうすぐ学校の授業にバイクライディングなんてのも始まるんじゃないかと思ってる。そのためにも不良でもなんでもない子が、チェーンなんか腰からぶら下げて、威嚇的な格好と音をたてて、変な改造バイクに乗るのは止めようよ。今バイクに乗ってる人のマナーとか、行動が大切なんだ。メーカーもショップも売れるのなら何でもいい、的な近視眼的なことはやめようよ、すぐに「競技用」とか「この写真はプロのライダーがサーキットを走行中の云々」ってのは止めよう。みんなでその、パークアンドライド構想とか、いかにバイクが環境にたいしてフレンドリーなのか、そういったことを学び、伝えるためのキャンペーンでも張りましょ。
OVバックナンバー
(2022/06)Organisation Voice は現在旧サイトからデータ移行中です。
工事中のところが多数ございますがご了承ください。