ご存知とは思いますがモンゴルへ送る貨物は、ひとまず天津港へ向かうんですね、そしてシベリア鉄道の支線?で、ウランバートルに着きます。この鉄道は北京-ウランバートルを経てウランウデで本線に合流して西へ向かえばモスクワ、そして東に向かえば黒龍江の北岸、要は中国国境北をナホトカまで行ってしまいます。この鉄道こそは極東の20世紀史の生き証人のようです。ちょっと余談ですが、この黒龍江 -アムール川ですが、中・ロ・蒙の3国が国境を接する町、満州里の近くから流れ始めますが、よくよく地図を見ると源流の湿地帯は、フルン湖という湖につながりそしてその水は、チンギスハーンゆかりのヘルレン川としてウランバートルのすぐ近くの湿地帯を源流にしており、その湿地帯からはツゥーラ川が、ウランバートルに柳の木やポプラの木々を育て、そしてバイカル湖に注ぐ、というスケールなのです。どうですか。こんな冒険行をするのはどうでしょうか、誰かチャレンジしませんかね。ここには日本人のえもいわれぬ郷愁と、遺伝子の古里を行く旅になることでしょう。ですが国境が川を何度も超えますからなかなか上手くいかないのではないだろうか、などと考えてしまいます。そう、いつも問題は国境。
話を戻しましょう、貨物輸送の話でした。 この中国を通過するというだけで、おそらく「極地行き」を除く世界一高い輸送費が発生してしまうんですね!と思ってたら、単位当りだとやっぱり日本国内の運賃ははるかに高いようです。もちろん高速道路も人件費も、ガソリン代も、何もかもが高い!から仕方がないんですけど。「じゃあ安くすればいいんだろう」と始まった価格破壊!さまざまな問題を喚起していることは枚挙に暇が無い。
とりわけ最近では、例のセーフガード、僕はてっきり「政府ガードだって思ってた」って言うのはいつぞやこの OVに書いた。誰が考えてもおかしいんだが、これも誰もが予測しえるとおり中国側は報復措置を取ってきました。まあ、ネギの輸入を規制されたので、自動車の輸入を規制してしまうんである。なんか戦争の入り口のような匂いさえする。中台問題も日本の対応はおかしいんだけど、まあここでそんな事を言ってても仕方ないしね。
で、僕たちの貨物は、いずれにしてもまずは中国を目指す。 2年前に大型のカミオンを送ったときは、コンテナに入らないものだから、貨車の台車の上。これだと輸送中に散々な目に遭ってしまってるのである。(どんな目にあったかは省く)輸送業者曰く「中国ってのは、こんなところですから」それで終り。貨物保険も引き受けられにくい。当然賠償もされない。「こんなことでいいのか!」こうして8月中旬のラリーの貨物を 2ヶ月も前から送るというには訳があるという事なのです。早く世界から国境を無くさないといけないです。
きょうの一枚
座右の書、は何かといいつつ「地図!」だということを忘れていた。この世界地図はもう軽く10年以上は、僕の机の上にある。もちろんロシアなんて「ソヴィエト社会主義連邦共和国」サンクトペテルブルクなんて、ない。レニングラードだぜ。でこの間、映画のスターリングラードって街を探したけど無いんだ。キエフかなあ、なんて思うんだけど。とまれ地図はいいよね、いつでも世界旅行に連れて行ってくれる。
OVバックナンバー
(2022/06)Organisation Voice は現在旧サイトからデータ移行中です。
工事中のところが多数ございますがご了承ください。